2018-10-15

営業時間と仁木にパン屋を建てた理由

開店してからだと、どのくらいの頻度で更新できるのか。開店前に伝えられそうなことは、書いておこうと思います。どのくらいの方が読むのかはわかりませんが、記録として残しておきます。

こんばんは、seazbran~シーヅブランです。

今回は、カテゴリーに分けておきながら一度も書いていない営業時間とそれにまつわる話です。

開店するにあたり、悩んだのが営業日と営業時間です。開店はあくまでもスタート、先を見据えなきゃいけません。半年後、1年後、3年後、5年後と続けていけるお店にするためにはどうするべきなのかを考えました。

 

私の作るパンはセミドライイーストというのを使っていて、ドライイーストより添加物が少ないこともあり、素直なパンが焼けると言われています。そして、できるだけイーストの量は少なくしています。となると、天然酵母ほどではないですが、焼くのには時間がそれなりにかかります。食パンは行程がほかのパンより長いこともあり、ストレートのものでだいたい4~5時間。低温長時間のものになると、前の日に2~3時間ほど。16時間以上寝かせて、その後また2~3時間ほどかけて焼く行程に入ります。それをある程度の数を焼くとなると、1回に焼ける量もそこまで多くはないので、4種類の食パンを焼くのは最低でも8時間はかかるかと。そう考えると、営業時間以外の時間の方が、多く活動しているのがはっきりします。

 

やっぱり土日が休みのお客様も多いだろうから、土日も営業したい。働いている人が遅くても買いに行けるお店ってあればいいな。朝は少しでも早くから営業していたらお子さんの朝ご飯に間に合うかな。私も休まないと体持たないぞ(笑)とか。

そんなことを考えると、こんな営業時間になってしまい。友達や知り合いには「わかりにくい!」と言われる始末。ショップカードを作れば、まるで病院のように表にしないとよくわからない。ということで出したのが営業カレンダーになります。長く続けていくための苦肉の策ということで、わがままな営業時間をご理解いただければと思っています。本当は、お客様といる時間を長くできればいいのですが、そうもならないのが現実です。添加物をいれれば、楽にできるでしょうし、冷凍の生地を買って作れば、ただ焼けばいいだけになりますが、それでは本末転倒です。なので、まずは営業してみて、様子を見たいと思います。品質を落とさずにむしろあげていくことが大事なので。

 

また、仁木になぜパン屋なの?と思われている方もいらっしゃると思うんです。仁木に住んでるからというのもあります。夫が農家で、土地も借りることができたというのもあります。でも、大きな理由は仁木の町並みと仁木が持っている多くの財産にあります。

かれこれ、16年前になります。縁あって仁木町で働くことになりました。まだ独身の頃です。仁木町で働くことが決まったときは、全く自分が思い描いていた勤務地の候補には入っていなくて「あれ?仁木?どこだ?」くらいなものでした。仁木町につとめている時は、隣の余市町に住んでいたのですが、結婚をきっかけに仁木町に住むことになりました。住み始めて今年で丸14年になります。

仁木に住むようになってから、余市町、小樽市と勤務地は変わっていったのですが、特に小樽市でつとめるようになってからは、通勤時間が長くなったせいか、帰り道に仁木町に入るとなんだかほっとするなと思っていたのです。山の稜線や並んだたくさんの果樹の木、野菜、ビニールハウス、季節によって変わる果物や野菜の匂い。道路沿い以外はぽつぽつとある家とか。そんな素朴な風景がとっても好きになっていたことに気がついたのです。仕事を辞めて、近くを歩き始めたり、自転車を走らせてからは余計そう思いました。山並みや余市川の風景やいろいろな自然が本当に素朴にいいなと思えたのです。私自身は小樽市の出身ですが、海のある小樽や余市とはまた違う、優しい風景です。だからこそ、果樹や野菜や米などとってもたくさんのものを作って出荷しているのに、もったいないなと思ったのです。

札幌に行くと「仁木?どこ?」と聞かれることもしばしば。「仁木?遠いですよね。大変ですね。」とか「そんなこそないし!」と心の中で反発しながら。地域の人に喜んでもらいたいのはもちろんなのですが、仁木町以外の人が仁木に来てほしいとそんなことも願っています。だから、もし売れなくてもネット販売はしない!とか今は勝手に心の中で思ってたりするのです。色々やってみたいことはあるのですが、今はできることを確実にやっていくこと、それが大事だと思っています。うちの店がそのきっかけになるかどうかはわかりませんが、仁木の町並みを眺めて、ちょっと買い物をして町を潤してもらえるのがいいのかなと思っています。

あまり書きすぎると「始まる前から、何を言っているんだ。理想を言うのは簡単だよ。」と言われそうなので、まずは気を引き締めて、自分のできることからはじめて行きたいと思います。

 

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コメント4件

  • 成田佳世 より:

    こんなに手間隙かけたパンだから、あんなに美味しいのですね!
    パンから人柄が伝わってくる優しいパン感謝して頂きます。
    すっかり大ファンになっちゃいました〜
    また、買いに行きます(^ ^)

    • seazbran より:

      こんばんは!コメントありがとうございます。この前お話しくださった「パンの耳争奪戦なんですよ。」の一言は、本当に嬉しかったです。パンを作る苦労も、お客様の優しい一言や嬉しい一言で吹っ飛んでいきます。私自身はパン職人と言うよりは、人と関わってなんぼかなと思ったりしています。日々お客様に優しい言葉をかけていただき感謝しています。是非またいらしてくださいね!お待ちしています!コメント嬉しかったです!ありがとうございます。

  • 健太郎 より:

    去年から気になっていました。通るたびやって無いので本当に店やってるのって思ってました。今年に入って場所がわかりにくく通りすぎたりして旗でも立ててくれたらいいなーと思っていました。4月4日にやっとパン買う事できました。大変美味しく頂きました。また行きますので宜しくお願いします。

    • seazbran より:

      ご来店ありがとうございました❗店の色が目立たないことや営業日も少ないことがあり、ご不便かけてます。旗はやはり目立ちますよね。パトランプみたいなものつけたら?ともアドバイスもらうのですが、どうしてもデザイン重視で考えたらなかなかというところです。もう少し遠くからでも分かりやすい方法を模索できたらと思います。またお待ちしてますね!

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